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ユニバーサルデザインフードとは?誤嚥を防ぐ介護食の種類

最近、食事がむせる…
固いものも食べづらいから、介護食を調べてみたら
ユニバーサルデザインフードっていう区分があるらしい
それっていったい何?

ユニバーサルデザインフードとは食事の分類で「日常の食事から介護食まで幅広くお使いいただける、食べやすさに配慮した食品」のことです。実は介護食の区分ではなく、一般の食事にも使われている分類です。

今回はそんなユニバーサルデザインフードについて紹介していきます。

目次

ユニバーサルデザインフードとは

ユニバーサルデザインフードの4区分(日本介護食品協議会より)

ユニバーサルデザインフードとは食事の固さ、形状、どの程度のゲル状かを4区分に分け、その人の「噛む力・飲み込む力」に合わせて食事を選べることを目指している日本介護食品協議会が作った分類です。

「日常の食事から介護食まで幅広くお使いいただける、食べやすさに配慮した食品」を目指しています。

ユニバーサルデザインフード以外の区分

ユニバーサルデザインフードの他にも介護食の区分は存在します。日本摂食嚥下リハビリテーション学会の分類と、農林水産省が定めているスマイルケア食があります。

市販の食品ではユニバーサルデザインフードの区分が多く使われています。その理由は、多くの食品メーカーが参加しており、メーカー主体で発足された日本介護食品協議会が作った区分だからです。

では、色々なメーカーが食べやすさなどを追及して発足した日本介護食品協議会とはどんな組織なのでしょうか?

日本介護食品協議会とは

日本介護食品協議会は2000年10月30日、日本缶詰協会(現・日本缶詰びん詰レトルト食品協会)が主体となって集まって出来た団体です。当時は介護食の規格は統一されておらず、各メーカーごとバラバラの基準を採用していました。

しかし、それでは今後見込まれる需要の増加にあたって利用者の混乱が容易に予測されるということで、6社(当初は5社)集まり発足されました。最初の6社には介護食のパイオニアであるキユーピーなどが参加しています。

ユニバーサルデザインフードを選ぶメリットは?

メリットデメリット
食べづらさを解消
誤嚥しづらい
食事がのどを通りやすい
食欲がない時でも食べやすい
疲れた時でも食べられる
見た目がよくないものが多い

ユニバーサルデザインフードを選ぶメリットは、自分の噛む力・飲み込む力に合った食事を選べるという点です。例えば、年を重ねると口が乾きやすくなったり、噛む力が弱くなったり、飲み込みづらくなったりと食事形態が若い時と比べて変化します。

まが、体調が悪い時にユニバーサルデザインフードを選ぶことで誤嚥のリスクを下げたり、食欲がない時でも必要な栄養素を摂取できるというメリットがあります。

シニアだけの区分ではないユニバーサルデザインフード

若い人でも体調が悪い時は食欲がわかない時があると思います。仕事が忙しかったりストレスがある時も同じように食事が取りづらいということが起こります。

体調が悪い時はおかゆを食べたりしますよね?おかゆも言ってしまえばユニバーサルデザインフードの区分内に当てはまります。高齢者だけはなく若い人でも活用できるのがユニバーサルデザインフードという食品区分なのです。

ユニバーサルデザインフードが必要かチェックリスト

  • 固いものが食べづらい
  • 大きいものは食べづらい
  • 食べ物が飲み込みづらい
  • 食事中むせやすい
  • 口が乾きやすい
  • 歯の治療中

上記のチェックリストに1つでも当てはまる場合、ユニバーサルデザインフードを検討することをお勧めします。

なぜ自分に合った食事が大切なのか

自分に合った食事をとることが大切

食事の固さが合わないと、食事中にむせることが多くなり、誤嚥性肺炎のリスクが上がってしまいます。

実は日本の65歳以上の死因第4位は肺炎です。そしてその内の半分が誤嚥性肺炎で亡くなっています。70歳以上になると更に増え、肺炎の70%以上が誤嚥性肺炎です。80代になると死因第3位に肺炎が入り、その内の8割は誤嚥性肺炎です。

誤嚥性肺炎は発症してから2年以内の死亡率が50%以上と言われており、これは進行性のがんと同じくらい死亡率が高いです。

ユニバーサルデザインフードの区分

では実際にユニバーサルデザインフードはどんな区分に分かれているのでしょうか。

スクロールできます
区分区分1区分2区分3区分4
区分名容易にかめる歯ぐきでつぶせる舌でつぶせるかまなくてよい
かむ力の目安かたいものや大きいものは食べづらいかたいものや大きいものは食べづらい細かくて柔らかければ食べられる固形物は小さくても食べづらい
飲み込む力の目安普通に飲み込めるものによっては飲み込みづらいことがある水やお茶が飲み込みづらいことがある水やお茶が飲み込みづらい
ユニバーサルデザインフードの区分

「容易にかめる⇒ 歯ぐきでつぶせる⇒ 舌でつぶせる⇒ かまなくてよい」というように「噛む力・飲み込む力」が弱い人向けになっていきます。

流動食と言われるのは「かまなくてよい」レベルのものになります。市販の介護食はこのユニバーサルデザインフードの区分に則り、販売されています。

ユニバーサルデザインフードの区分詳細

ユニバーサルデザインフード区分1「容易にかめる」

容易にかめる区分は噛む力・飲み込む力が少し衰えてきたと感じた方向けです。介護食・流動食の一番の区分で固さがあり、見た目も普通の食事に近いのが特徴です。

ユニバーサルデザインフード区分2「歯ぐきでつぶせる」

容易にかめるよりも噛む力、飲み込む力が弱ってきた方向けです。固形物が小さくなり、食材の固さも少し柔らかくなっています。ミキサー食、ペースト食までは必要ない方はこちらを選択するといいでしょう。

ユニバーサルデザインフード区分3「舌でつぶせる」

きざみ食に近い形態の「舌でつぶせる」区分です。完全にペースト状にはなってはいないが、きざみ食よりも細かいイメージです。固形物が食べられなくなってきた方、水やお茶も飲みづらいと感じた方はこの区分を選ぶといいでしょう。

ユニバーサルデザインフード区分4「かまなくてよい」

完全にペースト状になった「かまなくてよい」区分。とろみがついている物が多く、そのまま飲み込めます。流動食でペースト状になっているので、市販の介護食のユニバーサルデザインフードの区分では一番、「噛む力・飲み込む力」が低下している方向け。

他の介護食の区分との比較

日本摂食嚥下リハビリテーション学会分類の嚥下ピラミッド

市販の介護食を選ぶ場合はユニバーサルデザインフード。在宅介護で料理をする際は、学会分類で食事を作るのがいいでしょう。

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ユニバーサルデザインフード日本摂食嚥下
リハビリテーション学会分類
スマイルケア食
浸透率少しずつ浸透している医療現場、介護現場での
浸透率は高い
全然浸透していない
使用場所一般食品介護施設
病院などの食事
一般食品
各区分の比較

介護施設の食事は学会分類で作られている

介護施設などの食事はすべて日本摂食嚥下リハビリテーション学会の食事の分類に即して作られています。施設等の食事を提供する介護現場では徹底されていますが、訪問介護などの現場では浸透しきれていないという話をよく聞きます。

ユニバーサルデザインフードの気になるポイント

区分を参考に自分で料理を作ることは可能ですか?

自宅でやる場合は難しいかもしれません。

食品メーカーは固さ等を検査する機械で計測していますが、数値まで考えると自宅では難しいでしょう。家でやる場合は大体の柔らかさで作ることになります。

その場合、ユニバーサルデザインフードの区分2、区分3のように少し見た目が残っているものを作るのはハードルが高いかもしれません。

自宅で作る場合はきざみ食になりがちで困っている

柔らかさと細かさを配慮して家で作ると、きざみ食やペースト食寄りになってしまいます。

きざみ食だと作るのは簡単ですが、見た目や味付けが同じになりがちで食べる人は飽きてしまうことが多いと聞くことがあります。

アマゾンや楽天でユニバーサルデザインフードは売っているので検討してみてもいいかもしれません。

自分に合った食事をして健康に過ごしていこう

今回はユニバーサルデザインフードについて詳しく紹介してきました。食事の柔らかさやとろみなどがどのメーカーでも同じ区分で製造されているので安心して食べられます。

体調が悪い人や年を重ねた人は是非ユニバ―ルデザインフードを選んでみてください。食事の固さを自分に合わせることで誤嚥防止になり、食べやすさが変わります。

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この記事を書いた人

株式会社インシルで商品開発を行っています。関わる人たちにいつまでも元気でいてほしいという思いをこめ、インシルマガジンで健康情報を更新中。シニアの健康情報からその子供世代向けの記事を執筆している。
基本、体が弱く体調不良の方がインシルのスープで元気になってほしい。

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